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不動産売却で失敗しがちな3つのパターン

1.価格設定で陥りがちな失敗のパターン

不動産には定価がありません。したがって、売主様が自由に価格を決めることができます。しかし、“不動産取引のプロ”である不動産会社のアドバイスをよく聞かないまま、独断で価格を決めてしまうのは賢いとは言えません。

現在はインターネットで簡単に相場価格や市場動向を調べることができます。事前にこれらの事柄を調べておくのは、不動産会社1社の査定額に騙されないなど、不動産会社の言いなりになるのを防ぐためにとても大切です。

しかし、自分で調べたそうした知識を“絶対”だと信じきってしまうのは要注意です。不動産には1つとして同じものが存在しません。たとえば、同じような建売住宅でも劣化状況や売る時期が異なれば、価格には大きな開きが出て来ることもしばしば。同じものがない以上、ネットに溢れている成約の事例は参考資料のひとつに過ぎないわけです。

アベノミクスによる景気対策や、東京オリンピック開催を視野に入れた経済活動によって不動産市場は高騰が続いた時期がありました。当時、このような知識を事前に得たおかげで、「今は景気もいいからウチは3,500万円にはなるはず」と思い込んでしまう人も多かったようです。

しかし、不動産価格の高騰は首都圏を中心に見られる現象であり、地方や駅から遠いなど条件の悪い立地ではその恩恵を受けられるとは限りません。そうしたアドバイスを不動産会社から受けながら、「いや、3,500万円は譲れない」と強引に価格を決めてしまい、長期に渡り売れ残るような事態に直面した人も少なくありませんでした。

相場より著しく高い住宅や、売れ残っている住宅は、買主様の不信感や嫌悪感につながってしまいます。そして、一度ついてしまった悪い印象は、その後に価格を変更してもなかなか覆すことができません。「売り出し価格」はそれほどに重要なものです。

自由に価格設定するのは売主様の特権ですから否定はしませんし、不動産会社のいいなりになる必要もありません。しかし、プロの助言や見解に耳を傾けることは、売却の成功に欠かすことができない大切なことです。

2.欲を出し過ぎて売り時を逃してしまう

住み替えのためにどうしても今の住まいを4,000万円で売却したい売主のAさん。不動産会社からは「その価格ではちょっと難しいかも…」と言われていましたが、売却を依頼して1カ月ほどで「3,500万円で買いたい」という購入希望者が現れました。それに気を良くしたAさん、あくまでも4,000万円にこだわり、その申し出を断ったのです。

しかし、それから半年経っても購入希望者は現れません。結局、7カ月かかって3,000万円で売却することに。住み替えを希望していた新居を購入できないため、譲渡のタイミングで引越し可能な手近な住まいを購入することになりました。

不動産を早く、そして、高く売るのは容易ではありません。とは言え、「時間をかければ高く売れる」というものでもないのです。相場を大きく上回る金額で売却することは困難ですし、時間をかければかけるほど、税金の負担や減価償却、地価の下落など、リスクも増えていきます。売却できるときに売却できないと、大きな損失を被ることになりかねません。住まいの売却は、タイミングがかなり重要と言えるでしょう。

3.仲介手数料を値切ると損になる!?

不動産会社に支払う仲介手数料は、住まいの売却価格が高くなればなるほど高くなります。そのため、できればこの金額を安く抑えたいと考える人も少なくありません。でも、仲介手数料の値引きを不動産会社に求めることは、本当に売主様の利益になるのでしょうか?

不動産会社に支払う仲介手数料は、あくまでも成功報酬です。例えば、弁護士などに仕事を依頼する場合、報酬は「着手金」と「成功報酬」の2回に分けて支払う場合が多くなります。先に支払う着手金については、結果に関わらず支払うべき性格のものです。

一方、不動産の仲介業務では着手金を受け取ることは許されていません。そのため、いくらがんばって宣伝活動などを行ったとしても、依頼された不動産が売れなければ1円も入ってこないことになります。不動産会社にしてみれば、人件費や広告宣伝費などがかかっているため、大きな赤字を被ることになるわけです。

仲介手数料は不動産会社にとって唯一の報酬であり、この手数料の範囲内で売るためのさまざまな活動を賄うためのもの。したがって、この値引きを求められると「モチベーションが低下する」「宣伝などを十分に行わない」「他の物件を優先する」といったデメリットが生じてしまいます。

たとえば、不動産会社に対して強気に交渉し、「仲介手数料10万円値引き」を引き出したとします。「10万円得した!」と、ガッツポーズが出るかもしれません。でも、果たして本当にそれで得をしたのでしょうか?

不動産会社からすると、このようなお客様の優先順位は下がりがちです。良い買主様が見つかった場合、別の売主様を優先。その結果、4,000万円で売れたかもしれない物件が後回しにされてしまい、買主様が見つからず、大幅に値下げを余儀なくされる結果を招くかもしれません。

いくら仲介手数料が値引きできたとしても、結果的には大きく損をしていることになってしまいます。このような理由から、仲介手数料の値引き交渉はあまりおすすめしません。それよりも、しっかりと仲介してくれる不動産会社を見極めることが大切です。

「満足していただける自信があるから値引きしない」当社もこうしたプライドを持って、売主様に満足していただけるよう誠意をもって向き合うことを常に心がけています。

今回は不動産を売却する際、特に失敗につながりやすく、無意識にやってしまいがちなケースをお伝えしました。ぜひ参考にしてください。

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